アグラスカートに伝統工芸の魅力と機能性をプラス

構想(正確には妄想)から約2年。欲しかった、作りたかったアイテムをようやく実現することが出来た。
※約2年溜め込んでいた想いも詰まっている為、本日のブログは大変長くなっております。ご容赦下さい。汗

アグラスカート+松阪木綿

AXESQUINの人気アイテムアグラスカート(過去のブログはコチラ■)を弊社プロダクトmimieから別注させて頂いた。

 

mimieとは

「mimie(ミミエ)」とは、1993年以来、三重県四日市市においてファッションやサブカルチャーにフォーカスした事業を展開して来た弊社「株式会社たまや」が、三重県の伝統工芸・地域産業資源とのコラボレーションをブランド化するプロジェクト。私たちが全国に誇りを持ってご紹介できる三重県の伝統工芸や地域産業資源を、私たちのフィルターを通して、伝統を守りつつも独自のアイデアを加え、新たなアプローチで全国に向けて発信して行くことで、少しでも伝統工芸・地域産業資源の普及および維持に貢献することを目的としている。

そして、今回は三重県の伝統工芸品である「松阪木綿」をアグラスカートにプラス。なぜ、松阪木綿を使用したのか。それは私の使い方への拘りが理由。元々、女性もアグラをかいて座れるように作られているアグラスカート。中綿素材入りなのでヌクヌクと過ごせるのが特徴。

しかし、化学繊維を用いた生地は熱に弱く焚火やネイチャーストーブから飛んだ火の粉が付着すると小さな穴が開いてしまう。そこで化学繊維よりも熱に強い松阪木綿を前面に配する事を思いついた。

 

松阪木綿自体、実はとても歴史がある物で江戸時代に江戸の街で大流行していた。当時の江戸の人口が約100万人と言われていたところ年間50数万反を売り上げたという人気ぶり。そして、その人気の裏側には「倹約令」の存在があった。華美な着物を堂々と着られなくなっていた為、遠目から見ると無地のように見えて近づいてみると、様々な縞柄模様が入っている松阪木綿が粋でおしゃれだとして、江戸っ子の間で大流行した。今回、使用した松阪木綿は工場見学をさせて頂いた御糸織物様で織られた物。

 

 

染、織、その様々な工程に永年蓄積された伝統技術が根付いている。そんな伝統的な素材を使ってアウトドアウェアを作りたい。その想いから生まれたのがアグラスカート+松阪木綿。そして、今回は松阪木綿の柄を3パターン作成。元々、アグラスカートはリバーシブルに使用出来るが、今回のアイテムは柄事に裏地のカラーリングを変えているので、それぞれ表情が異なる物に仕上がった。

 

 

松阪木綿 柄A

 

 

 

 

 


【着用モデル 身長:約163cm  体重:約55kg  サイズ:Mサイズを着用】

細かなギンガムチェック調の柄。裏地のカラーはサンドベージュで柔らかい印象を受ける。今回の柄パターンの中では最もハッキリと柄目が出ており、トップスとのコーディートを楽しめるタイプ。

 

 

 

松阪木綿 柄B

 

 

 

 

 

縦に細かく走るストライプ柄。遠目に見たら藍染めの紺色。近づくと柄が見えてくる。最も松阪木綿らしいのがこちらのモデル。この繊細な柄を江戸っ子達は「粋」と評した。裏地はカーキグリーンの生地を採用。落ち着いたトーンで着こなせるので男女問わず着用して頂ける。パートナーの方とのシェアもしやすいモデル。

 

 

松阪木綿 柄C

 

 

 

 

 

縦横に走る格子状の柄。裏地は淡いアズキ色で渋い印象を受ける。今回のラインナップの中では柄と裏地の組み合わせが最もシックで大人向けなモデル。

 

 

付属のベルトで縛って頂けばコンパクトに収納可能。木綿を使用している分、元のアグラスカートより重くはなってしまうが火の粉に気を遣う事無く穿く事が出来る。

 

 

 

 


【着用モデル  身長:154cm  サイズ:M  柄:B を着用】

松阪木綿が配されているのは火の粉を受けやすい前側のみで、他の生地は東レのポリエステル糸で織られた国産高密度生地を使用。パーテックス程の軽量さはないが、生地厚がしっかりしているのでハードな使用にも耐えてくれる。

 

 

座敷や座布団の上でアグラをかくのは勿論の事、イスの上でアグラをかいても生地が張って動きにくさを感じる事は無い。

 

 

アグラをかける程のゆとりがあるので、しゃがみながらの作業も難なくこなす事が可能。

 

 

春先とは言え、寒い早朝のお散歩。パンツの上からアグラスカートを穿けば暖を取りながら朝の澄んだ空気を気持ちよく感じられる。

 

 

私が個人的に使いたいのが「アウトドアフィールド(非日常)」+「普段の生活(日常)」。朝晩はまだまだ冷えるこの時期。ストーブを付けても暖まるのは部屋の上の方から。朝なんて部屋全体が暖かくなった頃には仕事に出掛けるなんて事も良くある。サッと穿けて、直ぐに温まれて、出掛ける時には直ぐに脱げる。キッチンなんてコンロで火を使うと上半身は暑いけど、下半身が寒いから特に良い。故に、生地は軽量さよりもしっかり感を優先した。

 

 

勿論、火の傍でも穿いて欲しい。パチッと薪がはぜて火の粉が上がっても気にしない。細かい事は気にしない。江戸っ子になった気分で火を感じて頂きたい。

 

 

でも、木綿と言えど難燃素材では無い。大きな火の粉が付けば穴が開く。そんな時は、付属の松阪木綿の生地(製造上のあまり生地)でパッチワークの様に縫って欲しい。永く穿けば藍の色も良い感じに落ちて来る。穴が開いて直した分だけオリジナルに仕上がる。江戸の倹約の気持ちはエコに通じるトコロがある。そういった部分も感じて永く穿いて頂ければ嬉しい限り。

 

 


【※写真はサンプルの為、ベルトのカラーが異なります。】

今と昔を繋げる松阪木綿。そんな素材を日常と非日常を繋げるアグラスカートに使用したのが「アグラスカート+松阪木綿」。実は1月の発売を予定していたが、大きくずれ込んでしまった。構想段階で色々な方にお話しをさせて頂いていた為、発売日の問い合わせも多く頂いていました。大変永らくお待たせいたしました。今週末3月7日(土)より店頭販売を開始させて頂きます。通販に関しましては、準備が整い次第開始させて頂きますので、今しばらくお待ちください。

 

本日のブログは久しぶりにワクワクが止まらない松下がお届けしました。
どの柄を購入しようか迷っております….。凌ぐ時も、凌がない時も、ヌクヌク過ごせるアイテムです。