松阪木綿+アグラスカート 参

嬉しい事に、「アグラスカート+松阪木綿は、再販しないのですか?」というお問合せを昨年の年末に沢山頂きました。私のエゴで生まれたアイテムではございますが、沢山の方に気に入って頂けて嬉しい限りです。今季は「アグラスカート+松阪木綿 参」といたしまして、年始より販売させて頂いております。

 

今季の「アグラスカート+松阪木綿 参」に関しまして、胡坐をかいて座れる基本的なデザインは変わっていませんが、今までのモデルと松阪木綿の柄が違うタイプを予定していたり、生地のカラー配置を変えていたりと細かな部分でマイナーチェンジを行う予定です。本日のブログでは、商品サンプルを用いて今季モデルを少しだけご紹介させて頂きたいと思います。

ちなみに、商品自体の基本的なお話しは過去のブログ(コチラ■)で詳しくご説明させて頂いております。気になる方は、是非チェックしてみてください!

 

AXESQUIN ×mimie
アグラスカート+松阪木綿 柄B

非常に細かい縦縞模様の入った柄。松阪木綿が流行した江戸時代、幕府の倹約令によって町民は華美な服装を禁じられていました。そこで遠くから見ると紺色一色に見えて、近づいて見ると柄がある松阪木綿が粋でお洒落だとして人気が出たのです。その特徴を最も強く持っているのが、この柄だと思います。

 


【モデル身長:163cm  体重:55kg  Size:M を着用】

前作同様にリバーシブルとなっており、柄Bの裏地はカーキグリーンとなっています。今季のモデルは松阪木綿以外の生地部分は全て単色で統一していますので、裏地だけでなく背面側もカーキグリーンの仕様です。(前作はネイビーでした。)松阪木綿を配する事で、化学繊維より火に強く出来るので焚き火やネイチャーストーブで遊ぶ時に火の粉を気にせず楽しめます。ただ、大きな火の粉が付着すると木綿でも穴が開いてしまう事がある為、その時は商品と一緒にお渡しする松阪木綿の布切れ(生産上で生まれる端切れ)を使って下さい。端切れを使ってパッチワークの様に直す事で、オリジナルのデザインへと変わっていきます。

 

 

AXESQUIN ×mimie
アグラスカート+松阪木綿 柄D

非常に細かいチェック柄。日本では古くから格子縞と呼ばれており、縦縞と横縞が一定間隔で直角に交差する形が建具の格子と同様である事が名前の由来と言われています。格子柄の歴史は非常に古く、古墳時代の埴輪の袴に施されていたり、平安時代から鎌倉時代にかけての絵巻に登場する人物の服装にも用いられていた事から、昔から幅広い人々に親しまれていた柄であると言えます。

 

 


【モデル身長:163cm  体重:55kg  Size:L を着用】

柄B同様に遠くから見ると紺色一色に見えるタイプで、近づくと格子柄が際立ちます。後ろ側と裏地にはアズキ色を配する事で、裏返しで着用した時に落ち着いたトーンで合わせられるようにしました。今回、柄DのサンプルがLサイズである為、大きめで試着しています。私の体格では本来Mサイズがジャスト。ウェストはコードで絞れる仕様になっているので少し大きめを選んで、パートナーの方とシェアして頂くのもありですね。

 

 

AXESQUIN ×mimie
アグラスカート+松阪木綿 柄E

和風クレイジーパターンと申しましょうか、様々な縞柄を一つの生地にあしらった変わり種の柄。個人的にこの柄を見た時に思い浮かんだのが「ぼろ」と呼ばれる衣服。k漢字では「襤褸」と書くのですが、そのルーツは現代から150年以上前になります。当時、木綿布は庶民にとって貴重な物で、特に地方の海浜や山間地に暮らす農民にとっては中々手に入れる事の出来ない物でした。故に、寒冷地などでは、重ねた麻布に刺し子をし、寒さをしのいでいました。一反の布さえ手に入れることのできない人々は、江戸や京阪などの都市部で使い古された端切れを手に入れ、継ぎ接ぎし、野良着や布団、夜着をつくり、使っていました。継ぎ接ぎで直された生地は様々な柄が入り乱れた「ぼろ」へと変わって行ったのです。そんな、昔からの流れを感じられるこの柄がピンときて、今回の商品に取り入れました。

 


【モデル身長:163cm  体重:55kg  Size:M を着用】

少し派手過ぎるかな…と心配していたのですが、着てみると意外や意外。そんなに奇抜さを感じず、すんなりと馴染んでくれました。後ろ側と裏地には優しい印象のベージュを配して、穏やかみのある印象をイメージしてみました。他の柄と違って、パッチワークで直した際に一番目立つタイプの生地なので、歴史を感じるボロを目指してフィールドでガシガシ使って頂きたいタイプです。

あれやこれやと、欲しいモノや作りたいモノの妄想が止まりそうにありません。実現出来るモノは少しずつ形にしていきたいと思います。本日のブログは松下がお届けいたしました。

アグラスカートに伝統工芸の魅力と機能性をプラス

構想(正確には妄想)から約2年。欲しかった、作りたかったアイテムをようやく実現することが出来た。
※約2年溜め込んでいた想いも詰まっている為、本日のブログは大変長くなっております。ご容赦下さい。汗

アグラスカート+松阪木綿

AXESQUINの人気アイテムアグラスカート(過去のブログはコチラ■)を弊社プロダクトmimieから別注させて頂いた。

 

mimieとは

「mimie(ミミエ)」とは、1993年以来、三重県四日市市においてファッションやサブカルチャーにフォーカスした事業を展開して来た弊社「株式会社たまや」が、三重県の伝統工芸・地域産業資源とのコラボレーションをブランド化するプロジェクト。私たちが全国に誇りを持ってご紹介できる三重県の伝統工芸や地域産業資源を、私たちのフィルターを通して、伝統を守りつつも独自のアイデアを加え、新たなアプローチで全国に向けて発信して行くことで、少しでも伝統工芸・地域産業資源の普及および維持に貢献することを目的としている。

そして、今回は三重県の伝統工芸品である「松阪木綿」をアグラスカートにプラス。なぜ、松阪木綿を使用したのか。それは私の使い方への拘りが理由。元々、女性もアグラをかいて座れるように作られているアグラスカート。中綿素材入りなのでヌクヌクと過ごせるのが特徴。

しかし、化学繊維を用いた生地は熱に弱く焚火やネイチャーストーブから飛んだ火の粉が付着すると小さな穴が開いてしまう。そこで化学繊維よりも熱に強い松阪木綿を前面に配する事を思いついた。

 

松阪木綿自体、実はとても歴史がある物で江戸時代に江戸の街で大流行していた。当時の江戸の人口が約100万人と言われていたところ年間50数万反を売り上げたという人気ぶり。そして、その人気の裏側には「倹約令」の存在があった。華美な着物を堂々と着られなくなっていた為、遠目から見ると無地のように見えて近づいてみると、様々な縞柄模様が入っている松阪木綿が粋でおしゃれだとして、江戸っ子の間で大流行した。今回、使用した松阪木綿は工場見学をさせて頂いた御糸織物様で織られた物。

 

 

染、織、その様々な工程に永年蓄積された伝統技術が根付いている。そんな伝統的な素材を使ってアウトドアウェアを作りたい。その想いから生まれたのがアグラスカート+松阪木綿。そして、今回は松阪木綿の柄を3パターン作成。元々、アグラスカートはリバーシブルに使用出来るが、今回のアイテムは柄事に裏地のカラーリングを変えているので、それぞれ表情が異なる物に仕上がった。

 

 

松阪木綿 柄A

 

 

 

 

 


【着用モデル 身長:約163cm  体重:約55kg  サイズ:Mサイズを着用】

細かなギンガムチェック調の柄。裏地のカラーはサンドベージュで柔らかい印象を受ける。今回の柄パターンの中では最もハッキリと柄目が出ており、トップスとのコーディートを楽しめるタイプ。

 

 

 

松阪木綿 柄B

 

 

 

 

 

縦に細かく走るストライプ柄。遠目に見たら藍染めの紺色。近づくと柄が見えてくる。最も松阪木綿らしいのがこちらのモデル。この繊細な柄を江戸っ子達は「粋」と評した。裏地はカーキグリーンの生地を採用。落ち着いたトーンで着こなせるので男女問わず着用して頂ける。パートナーの方とのシェアもしやすいモデル。

 

 

松阪木綿 柄C

 

 

 

 

 

縦横に走る格子状の柄。裏地は淡いアズキ色で渋い印象を受ける。今回のラインナップの中では柄と裏地の組み合わせが最もシックで大人向けなモデル。

 

 

付属のベルトで縛って頂けばコンパクトに収納可能。木綿を使用している分、元のアグラスカートより重くはなってしまうが火の粉に気を遣う事無く穿く事が出来る。

 

 

 

 


【着用モデル  身長:154cm  サイズ:M  柄:B を着用】

松阪木綿が配されているのは火の粉を受けやすい前側のみで、他の生地は東レのポリエステル糸で織られた国産高密度生地を使用。パーテックス程の軽量さはないが、生地厚がしっかりしているのでハードな使用にも耐えてくれる。

 

 

座敷や座布団の上でアグラをかくのは勿論の事、イスの上でアグラをかいても生地が張って動きにくさを感じる事は無い。

 

 

アグラをかける程のゆとりがあるので、しゃがみながらの作業も難なくこなす事が可能。

 

 

春先とは言え、寒い早朝のお散歩。パンツの上からアグラスカートを穿けば暖を取りながら朝の澄んだ空気を気持ちよく感じられる。

 

 

私が個人的に使いたいのが「アウトドアフィールド(非日常)」+「普段の生活(日常)」。朝晩はまだまだ冷えるこの時期。ストーブを付けても暖まるのは部屋の上の方から。朝なんて部屋全体が暖かくなった頃には仕事に出掛けるなんて事も良くある。サッと穿けて、直ぐに温まれて、出掛ける時には直ぐに脱げる。キッチンなんてコンロで火を使うと上半身は暑いけど、下半身が寒いから特に良い。故に、生地は軽量さよりもしっかり感を優先した。

 

 

勿論、火の傍でも穿いて欲しい。パチッと薪がはぜて火の粉が上がっても気にしない。細かい事は気にしない。江戸っ子になった気分で火を感じて頂きたい。

 

 

でも、木綿と言えど難燃素材では無い。大きな火の粉が付けば穴が開く。そんな時は、付属の松阪木綿の生地(製造上のあまり生地)でパッチワークの様に縫って欲しい。永く穿けば藍の色も良い感じに落ちて来る。穴が開いて直した分だけオリジナルに仕上がる。江戸の倹約の気持ちはエコに通じるトコロがある。そういった部分も感じて永く穿いて頂ければ嬉しい限り。

 

 


【※写真はサンプルの為、ベルトのカラーが異なります。】

今と昔を繋げる松阪木綿。そんな素材を日常と非日常を繋げるアグラスカートに使用したのが「アグラスカート+松阪木綿」。実は1月の発売を予定していたが、大きくずれ込んでしまった。構想段階で色々な方にお話しをさせて頂いていた為、発売日の問い合わせも多く頂いていました。大変永らくお待たせいたしました。今週末3月7日(土)より店頭販売を開始させて頂きます。通販に関しましては、準備が整い次第開始させて頂きますので、今しばらくお待ちください。

 

本日のブログは久しぶりにワクワクが止まらない松下がお届けしました。
どの柄を購入しようか迷っております….。凌ぐ時も、凌がない時も、ヌクヌク過ごせるアイテムです。